不動産業者の選び方

不動産を売りたい女性不動産を売りたい男性

A子さんB夫さんという二人が、どちらもそれぞれ訳あって家を売ろうと思っています。 中古住宅なので全く同じ価値の物は2つないのですが、ここでは分かりやすく同じくらいの評価の物件ということにします。

不動産業者不動産屋

A子さんはアクティブな性格で
A「いろんな不動産屋さんに聞かなくちゃわからないわ」
と、○○不動産××不動産の両方を訪ねます。
○○不動産では「この立地でこの築年数ですと1,000万円くらいで売れそうです。」と言われ、
××不動産では「おいくらで売りたいですか?高い方が良いですよね、2,800万円にしましょう。」と言われ、××不動産媒介契約を結びました。

一方B夫さんはおっとりとした性格で、
○○不動産を訪れ「1,000万円くらいですね。」と言われ、
B「そんなものかな…」と思い○○不動産媒介契約を結びました。

ここまでの話では「あ~B夫さん失敗してる」と心配になりますね。でも2か月後…


A子さん××不動産を訪れます。
A「問い合わせが一件も無いのはどうしてですか?」
××不動産「値段が高いかもしれませんね、価格を変更しましょう。実際問い合わせが来るのは1,000万円くらいですね」
A「高く売ってくれるから××不動産にしたのに!もういいわ、別の不動産屋にお願いするわ!」

××不動産「お客様は専任媒介契約を結ばれたので、他の業者とは媒介契約を結べませんよ」
A「そんな…!!!」


同じころB夫さん○○不動産にいました。
B「いや~ありがとうございます、こんなに早く買いたいという方が現れるなんて。」
○○不動産「ギリギリの価格でしたが、タイミングが良かったのでしょうね。値引き交渉もなくスムーズに決まりそうです。」


これは残念ながら、実際によくあることです。結果的には○○不動産査定価格が正しく、1,000万円で売れています。でも最初は2,800万円で売ってくれると言う××不動産が良く思えてしまいます。
確かに、時間がかかっても良いから少しでも高く売りたいという希望のお客様には、「1,000万くらいが妥当ですが1,200万円で売りに出してみましょう」ということはあります。その場合は相場より少し高めなので値引き交渉があって、1,100万円で売れるかもしれません。

しかしこの場合××不動産は明らかに相場を分かっている上で、専任媒介契約を取りたい為に、相場とはかけ離れた金額を提示します。専任媒介で受けてしまえば、他の不動産業者と媒介契約が結べないからです。
しかし相場より高すぎて売れない為、この例のように急に下げることはさすがになくても、少しずつ価格を下げていき、結果1,000万円前後でなければ売れません。中古住宅の場合売却に時間がかかりすぎると、家はだんだん古くなり価値が下がることはあっても上がることはありません。また、値下げを繰り返している業者は買い客から「この業者は何度も値下げするから」と思われ適正価格より値下げしないと売れなくなる場合もあります。


「相場」というのは不動産業者が決めるものではありません。不動産を探している買い手が決めるものです。それを経験で理解して、的確にお客様に伝えるのが良い不動産業者です。

不動産業者を選ぶときには、
①その業者だけが他の業者より明らかに高い価格を提示していないか、
専任媒介を執拗に迫ってこないか、
③きちんと現地を見て査定金額を提示しているか、
④売主の状況などを理解して最善のアドバイスをしてくれるか等をじっくり見極めて選んでくださいね。


A子さんも、仲介の場合不動産業者は安く売っても何の得もしないということに気が付けば良かったですね。仲介手数料は売却価格の3%+6万円*と決まっており、不動産業者にとっても高く売れたほうが良く、必要以上に安く値段をつけることはないからです。